遺言執行者

 日々バタバタしているうちに、今年も師走となりました。ほんとに一年が早く感じるのは年をとったせいか^_^、お陰様で日々忙しくさせていただいているせいか‥。
 さて、この夏から自筆証書遺言の遺言執行者として、遺言を残して亡くなられた方のご遺志を実現するために事務をしております。銀行、証券、不動産、生命保険など手続きがあり、証券会社2社のうち1社以外はすべて相続の手続きが完了していたのですが、この1社のみ、なかなか進みませんでした。
 なぜ、ここだけ進まないかというと、自筆証書遺言を書かれた時の遺言者の遺言能力について、争っていたのです。私もお会いしたことがあり、しっかりした方だという印象だったのですが、ご病気のために余命1ヶ月か2ヶ月と宣告されており、賃貸マンションの解約、車処分、滞納している支払いなど事務をする人が早急に必要で、成年後見人をつけたいと申し立てをしていた時期に遺言を書かれていたのです。
 せっかく亡くなる前にご遺志を残されているのに、それが実現できないのは、ほんとに気の毒なので、遺言者の主治医に相談にうかがい、遺言能力があったという診断書をかいてほしいとお願いしました。でも、当然断られるだろうと覚悟もしておりました。
 主治医の先生は、とてもお忙しい方ですのに、無理なお願いを快く引き受けて下さり、さらに、証券会社の要望で結局3回診断書を書き換えてくださるという、考えられないくらいのお願いにも対応して下さいました。
 そして、本日、無事に証券会社から手続きを進めますという連絡をいただけました。
 何とも感謝感謝での師走スタートとなりました。^_^
 遺言は、可能な限り後のトラブルにならないよう、公正証書遺言がおススメです。でも、事情により自筆証書遺言をひとまず残しておくという方もおられます。この方は、法定相続人がいないので、死を前に、ご親戚の方に財産をのこしたいと思われたのでしょう。私としては、そのお気持ちがわかりますので、なんとか実現できるように必死でしたが、ようやく胸をなでおろすことができました。


写真は、足立美術館の紅葉です。